未知なるダンジョンへの挑戦状
「ふぁぁ~~~。
最近なんか調子わるいなあ~~~。」
アディオスは最近、スランプに陥っていた。
東京へ旅立つ前にコンビしたいと誘われた昨日のけいしとのコンビストも、
連れ出してからけいしだけが即という情けない結果。
なんだかんだ俺も今年でナンパ歴4年目に突入。
慣れ親しんだ街で見慣れた風景の中ナンパするのはマンネリ化していた・・・
???
「なぁ~にシケたツラしてんだよ!」
「・・・・あ?」
?!
松岡修三
「アディオス!お前はもっと熱くなれるはずだ!」
「はあ?!なんやこのおっさん、きんも!!w」
修三
「おまえが本当にやりたいことは街中で声をかけることなのか?
おまえがナンパ師デビューした時は、ストリートナンパブームが加速していた!
でも今は違う!ナンパ師がTVで取り上げられたり、普通のOLがナンパブログを読んだり。。街を見渡せば女遊び人は五万といる。
今迄みたいにアンダーグラウンドなナンパ界はすでに終わってるんだ!
サラリーマンが街中でゼロから1を作るロマンなんてもうみんな飽きてるんだ・・・
そんなことは今や、みんなやってんだよ・・・!!!」
「な・・・なァにいぃ~~~~~~!!!!」
「おまえは「ナンパ」で終わっていいのか??
ぬるま湯につかり、いつしかゴールを見失っていないか??
もっとワクワクするような、
自分を追い込んでそれに打ち勝つ、
女の子を追い求めるその先の”冒険”がしたいんじゃないのか?!!」
「松岡のおっさん、、、
じゃあいったい俺はどうすれば・・・!!」
マネージャー
「修三さん、そろそろユニバのパレードの出演時間です。」
「もうこんな時間か・・・
とにかく次の週末に免許更新センターへ行くんだ!!
そこにきっと答えはある!!じゃあな!アディオ~~~ス!!!!」
「・・・・・・・」
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K真免許センター
K真市にある大阪府警が管轄する運転免許管理センター。
免許の更新はもちろん、各種試験、教習や記載事項の変更届、免許用の写真撮影もできる免許のデパート的存在。
写真←左側には植木と喫煙スペースのベンチが
写真→右には有料駐車場が配されている。
各階に分かれた窓口と併設された食堂、赤十字血液センターを擁する手続きの砦。
一歩間違えば二段階右折の道路交通法の蔓延る夢幻要塞である!(要塞ではない)
〜am9:00〜
「ここがK真市免許センター。。。ここで俺の腕は通用するのか?」
~某日~
俺はお気に入りのジャケットを羽織り(数年前キューズモールで働くキセクに売りつけられて買ったYEVS¥12000-)K真市免許センターへと出動した。
即キープ激モテ号(アディオスの愛車、撥水加工済み)を滑らかにパーキングへ駐車する。
「かならず女の子を連れて戻ってくるからな・・・」
即キープ激モテ号に別れを告げて、
大きな門構えに少し緊張しながらも入口を抜ける。
ナンパにおいてメンタル面は結果に大きく作用する。
時刻はまだ午前中だ。時間はある。
まずは内部のようすを把握しよう。
てくてく・・・
少し進むとひらけたフロアになっており、免許更新用の窓口が5列ほどあった。
見ると長蛇の列だ。女の子の姿もちらほら見えるがみんな順番待ちで密集している。
あんなところで声掛けしたら一瞬で注目されてしまうだろう。
世代が近くかわいい感じの子を目で確認してから
ひとまずスルーして通り過ぎようとした。
その時だった。
女警官
「あ!更新ですか??」
「お、、お姉さんとのキズナ以外は更新するつもりはありません。」
警官のお姉さんのファーストスマイルを引き出すことに成功した。普通にかわいい。
反射的にに少し和むも、相手はお仕事中の婦警さんだ。
即は生まれにくい、なによりこんな序盤で目立ってしまっては後半に自分を追い詰めることになる。
スト師として狩ることに意識が向いていたが、この箱の中では同時に狩られる側にもなりうることを忘れてはいけない。
放流だ。
「い、いえ!あの、ちょっと住所の変更に・・・AHAHA☆」
女警官
「あ!それじゃ窓口にご案内しますね!」
山田さ~~~ん!!こちらの方、住所変更です~~~!!
山田(推定50歳、小太り、油ギッシュ)
「そこの用紙に記入して、この、5番窓口に持ってきてください」
~開始5分~
クソが!!!!!!!!!!!!
あの真面目系ビッチ、こんど会ったらケツにエア・K叩き込んでやる!!
不注意な発言により、5番窓口オートマティック搬送グダが発生した。
このままでは免許箱ストの続行自体が危ない。
この箱内での活動はかなり慎重に行動しなければ警察に目をつけられて最悪の場合、職務質問されてしまう。
目立たないようにこの窓口から離れなければ...!!
※とりあえず何も思い浮かばなかったので自分の免許証を取り出して眺めるスト師史上おそらくもっともマヌケなアディオス。
・・・・ん??
こ、、これは?!!
免許の住所が引っ越す前のままになっている!!!
俺は咲き誇るドヤ顔で
新しい住所を記入し、提出し、住所情報を更新した。
どうだ!!俺は目的があってここに来ていたんだよ!!
あっひゃっひゃっひゃwww
咄嗟の判断とラッキーにより怪しまれずに切り抜けることができた。
とはいえ、今ので20分はロスしてしまった。
自分が少し焦っているのが分かった。箱に来てからもう30分以上は経過していたが現在ゼロ声かけ。
さらに、人はたくさんいるがこの箱のピーク時間が分からない状況だ。
こんなところで止まっている暇はない・・・!!
俺は更新の列から離れたところでなぜかなにもせずに佇んでいる黒っぽい女の子に声をかけた。
「こんにちは!この列のファストパスってネットで買えるんかな??」
「ああwユニバみたいですねw」
「検索かけてみよかな?ってぐらいならんでますよねw俺アディオス!君の名は?」
「黒子です。面白いナンパですねwってかここでナンパとかぜったいやばい人ですよねw」
「黒子は並ばんの?」
「あれ待ちですw」
黒子が指差すほうには列に並ぶ女友達がいた。
少し話す。初声掛けはまずまずだ。
和みは十分だったから連れ出し打診してみたが断られる。
まだ始めたばかりなのでここは離れることにした。
「ほんならもしなんかあったらラインして!さいきんテレポーテーションできるようになったから駆けつけるわw」
黒子のラインをゲットした。
その時だった。
「あ、知り合い??」
俺はかなり焦った。なぜならその声は女友達ではなく、男の声だったからだ。
一瞬、黒子がなにか話そうとしたがさえぎった。
「ほんなら黒子、また同窓会のお知らせ送るから行けるかどうかだけ返事して!
ゆうてまだ何月にやるかも決まってないけどw」
「わかったw」
そそくさと立ち去る。
まず、バンゲされてるところが見える位置での黒子の対応に驚いた。
ナンパされてるのを見せつけようとした?
わからん・・・
とにかく危なかった。
黒子が指差してたのは女の子じゃなくて彼氏?だったっぽい。。?
アディオスは免許箱の洗礼を連続で受けて久しぶりにストでダメージを食らった。
メンタルの強さには多少の自信があったがその自身が揺らいでいる
。
いったん建物を出る。
屋外に出て右にそれたところで煙草に火をつける。
ケムリを肺に染み渡らせて、エントランスを観察した。
人の流れは出入りどちらも絶えず流れている感じだ。
箱前にはバス停があり、そこから駅まで帰る人がほとんどのようだ。
エントランスから俺のいる喫煙所にOL風の子が流れてくる。
この子に声掛けして現状を打破したい。
俺は何個かある灰皿のうち、OLの隣の灰皿を陣取った。
免許箱にインするときから感じていた独特の緊張感に包まれていた。
「・・・・・・・」
地蔵してしまった。OL子がまた箱内に戻っていく可能性やいろいろと考えてしまった。
洗礼を受けて下がり始めたテンションが底辺に到達した。
箱に戻っていくOL子を追いかけたが人ごみに吸い込まれていった・・・
そこからオープンはするものの空振り。
さらにエントランス付近に設置されたイスに座った子に声掛けしていると
「ほないこか・・・あれ??知り合い??」
またもや彼氏が戻ってきてブロックされてしまった。
これによって見張り(警察)のサージングを避けられるスポットが消滅した。。。
(なにやってるんやろおれ・・・)
今の放流で完全にネガティブな感情に支配されてしまった。
流れが悪すぎる。
俺はいったんナンパを中断し、ツイッターを開いてタイムラインを見ていた。
すると、
急にひざの裏あたりを誰かにポンポン叩かれた。
「・・・ん?!!」
幼女
「だあ~~w」
「だあ~~w」
「だあ~~w」
なんと2歳くらいの幼女が「だあ~~」といいながら俺の両ひざに抱き着いてきた。
俺のひざを抱えたまま見上げてくる。見つめあうが何がしたいのかまったく分からなかった。
幼女のオカン
「こらw幼女wおにいちゃんから離れなさいw」
オカンが現れ幼女を引き離す。
オカンに連れられながら何度もこっちを振り返る幼女。
少し癒された。。。
1歳でも2歳でも逆ナンは逆ナンやんな?!
俺は振り返り続ける幼女に元気をもらってサージングを再開した。
と、その時!!
アディオスのタイプの高身長のレディが!!
箱前のバス停へ向かっているらしい。
行けるか?!いや、行くんだ!!
さっきの幼女にPUAの凄さを見せる時だ!!
女の子をハントするだけじゃない、子供に夢を与えるんだ!!
そして20年後、女スト師になった幼女は語り継ぐだろう。
「あの時見たナンパは素晴らしかった!」と!!!
大げさだが落ち込む心に鞭を入れるように、セルフイメージを高めた。
バス停まで追跡して声掛け!!
「1時間に一本しか来ないんですね。笑」
「そうなんですよ~w」
更新終わりのOLだった。反応はかなり良かった。
スラっとしたスレンダーな体系に男が好きそうなロングの髪が眩しい。
バスに乗ろうとしたが次のバスまでは25分くらいある。
でもここは好都合。こちらには即キープ激モテ号という切り札がある。
「さっき見かけたとき、持ってる空気が他の人と違うなって感じて話しかけてみたんよ」
「そうなんですね!ざんねんw」
「ざんねん?」
「わたし結婚してるんですよwだからざんねん!」
「知ってる。ところでなに買ったん?」
薬指に指輪があった。
流して次の話題に進み、再度和む。
会話も語彙力があって楽しい。おっさんの上司に好かれそうなOLさんだ。
「すぐそこに車停めてるから送っていくよ!めっちゃひまやし。」
かなり迷ったようだが食いつきはありそうだ。
ほんとにいいの?といいながらついてくる。
即キープ激モテ号・イン!!!
免許子(26)
OL/華奢
~PM12:30~
さっきの幼女とオカンのコンビと目が合う。
明らかに「こいつマジか。」という表情だった。
いろいろあったがついに連れ出しに成功した。
既婚者グダを振りかざしてきたもののスルーしたら一切言わなくなった。
「まだ独身のほうがいいよ!」「なんでなん?」「若いころもう少し遊べばよかったとも思うし。。」仕事の話や恋愛、結婚の話で盛り上げながら激モテ号に乗り込んだ。
でもここからどうする??
車内では最近ハマっているこの甘いナンバーが響いていた。
Craig David - Separate Ways - YouTube
「何時まで一緒に居れるかはあえて聞かんとくわ~」
「なんで??」
「なんとなく」
「なにそれw」
「きょうは俺らの初デートやから、どうせなら面白くしたいやん?
だから免許子が一緒に居たいなって思った分だけ自由に俺とすごしてや!」
「なんかおもしろいね笑わかった!」
どうしたら免許子をドキドキさせられるか考えた。
「なんとなく」ってなかなか便利な言葉で、使うタイミングが良ければ一気に気になる存在に駆け上がれる。
これはいままで負けた、他でもない女の子達から学んだ知恵だ。
悔しいけど負けにも意味はあると思う。
ロマンティックなムードの中、一流ファミリーレストラン、
デニーズ・イン!!w
かなり庶民的な店だが嫌な顔もせずピザを頬張る免許子とサイコパス診断をして遊んだり、かなり深い話もした。
最初は警戒していた表情も、いまは純粋にデートを楽しんでくれているように見えた。
「コーヒー飲める?」聞きながら
お会計をしてまた激モテ号に乗り込んだ。
「コンビニ寄っていい?」どちらも答えはYES。
コーヒーをふたつ買ってアディパレスの前に車を寄せた。
「あ、ここアディ君のおうちなん?笑」
「せやで!まだ免許子と話したい!洗濯もんもまわしたいし。」
「洗濯もんためこんでそうwww」
免許子は家に入るかどうかには触れてこない。
そのまま二人で家に上がった。
カウパーが立ち込める部屋、アディパレス・イン!
カップルみたいな雰囲気はできていた。あとはスマートにギラつくだけだ。
「ちょwそんなに見つめんといてwww」
「ふーん」
「なんなんよwww」
なんとなくリードする感じになっていた。
「じゃ徐々に慣れていこ!」
「いや慣れるのとか2年はかかるw」
「スマホの乗り換え周期みたいやな。」
「え?」
「おいで!」
顔を近づける。二時間前に出会ったばっかだけどそんなこと関係ない。
免許子を抱き寄せる。鼻先が触れる。
「ん~・・・少しだけ聞いて?」
「いいよ」
「・・・迷ってる」
「キスしたら戻れなくなりそう?」
「・・・うん。すごい迷う・・・もうしてもいいかなって思ったりもするけど、こんなん初めてすぎて少し混乱してる。」
「わかった。少し考えといて!あ、でもこんなん初めてとか男の子喜ばせるただの神フレーズやからな!w」
こういう時女の子に考えさせると即れる確率はかなり減ってしまう。
でもベットから離れる。免許子にとって初めてってことは大きなことだと思った。
ほんとに初めてかはわからんけど・・・。
俺はそう考えながらトイレの水を流した(トイレ我慢できなかったから離れただけ)
「ただいま!しっかり考えれた?」
「うん!・・・ゴメン!今日は帰るねw」
「まあ、そやろなw」
「またこんどにしたいw」
「あ、、これ今日マジでオレあきらめなあかんヤツやwww」
帰る宣言したがそこから動かない免許子。
不意打ちでアディ乳首を撫でてくるw
「オゥフwwwwww」
「え!なにいまのwww」
「いや、乳首触るから・・・オゥフwwww」
立て続けに俺の神聖なるふたつの禁断のレーズンを撫でまわしてきた。
「ちきしょーーー乳首感じるんだよ オレはさ!
即るには乳首しかね~~んだよ~~~~~!」
「あははははwだいじょうぶ~~~?www」
勢いでキス。
「あ・・・あぅ・・・ふっ・・・!!あ、、めっちゃ柔らかい・・・!」
「ベットいこ」
「・・・はいw」
ベッドで手○ン
「おうふっ!・・・おうっふ!!!」
修三
「キミならできる!!!!!!」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!
ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!
ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!!
即!!!!!!!
数分間の攻防の末、ついに即れた。
疲れたのか横で少し寝ている免許子を眺めた。
相手が帰ると言ったが、相手から触ってきた。
女の子はマジで不思議で素晴らしい存在なんだなって賢者モードの思考回路でぼんやり思った。
「アディくんみたいなポジティブなひと、探してた!」
「おおおwまじでw」
「アディ君の目標ってなに?」
「ヒーローになることやで!」
「なにそれw」
電車で帰るという免許子を最寄り駅まで送っていった帰り道、
ひとりで今日のことを振り返った。
修三の言うとおり、俺は梅田でナンパすることに少し飽きてきていたのかもしれない。
そして迎えた免許箱との対決。
窓口に案内されたり連続で彼氏が戻ってくるという壁に当たって挫けそうになった。
そんなとき、ちいさな女の子が俺のメンタルをリセットしてくれた。
免許子には「むかしよくしていたが最近はぜんぜんナンパはしていない」と言ってしまった。
俺がナンパ野郎だって知ったら免許子は悲しむかもしれない。
素直でまっすぐな目をしている素敵な子だったから。
でも、そのナンパがなければこうしてふたりが出会うこともなかった。
ありがとう免許子。
次はどんな出会いが待ってるのか。。。
股間のリトル・アディオスは次の冒険のステージの方向を、羅針盤のように指し示していた。
アディオス